成虫は基本的に肉食であるが、水分以外にはほとんど食物をとらずに次世代を残し短期間で死ぬものから、小型の昆虫を捕食して卵巣成熟の栄養源となるタンパク質を摂取したり、アブラムシ類やカイガラムシ類の排泄する甘露から活動のエネルギー源である糖分を摂ったりしながら一定期間産卵し続けるものまである。また、成虫が捕食者を避けるための不快な味や臭いを発する物質を、植物から摂取するもの(例:カブラハバチ属 Athalia によるクサギ幼葉の毛茸(もうじょう)からのジテルペンの一種クレロデンドリン(clerodendrin)の摂取)も知られている。人を刺すハチ(それらは細腰亜目に属する)の毒針は産卵管が変化したものである。従って毒針を持つ種でも刺すのは雌だけであるが、広腰亜目では産卵管が毒針になっていないため、雌と言えども人を刺すことはない。亜目の代表ともいえるハバチ上科の産卵管は平たいノコギリ状で、英名をsawflyと言い、キバチ科のように木に産卵するものでは錐状の産卵管を持ち、英名をhorntailというが、彼女たちの持つ産卵管はいずれも植物体に切れ込みを入れたり穴を穿ったりして産卵をするためのものであり、他の動物を刺すためのものではない。そのため、もちろん毒もない。中には捕まえると腹部を曲げて刺す真似をするものもあるが、上述のように実際には刺すことができない。このような行動はハチに擬態した他の昆虫でも見られることがあり、捕食者が驚いて離す場合も多いと考えられ、行動による一種の擬態とみなされる。 |